003 クンカクンカ
いつも通り、朝5時くらいに起きてポン子のいるリビングに降りた。
「おはよー」
もちろん返事はない。
「昨日もたくさん嘔吐しちゃったからお腹すいたでしょ。ちょっとまっててねー」
エサを取り、ご飯を与える。
そして、自分の朝食を作りダイニングのソファに腰を掛けスマホをいじっていた。
目を見ると緊張するとどこかのサイトに書いてあったので、ケージに背を向けた状態で座った。
ん?
何か呼吸の音が近い???
そーっと横目で足元を見るとポン子がスリッパのにおいをかいでいた。
おぉぉぉぉおおおおおおぉぉぉ!!!!!?
心の中のわくわくが止まらねえーw
けど、慎重に!俺慎重に!!!
すごーく小声で
「出てこれたのかぁ」
ポン子を見ても逃げないでくれた。
試しに抱っこしてみようか。
さすがに体いきなり触られるのは怖いかな?
逃げてケージに入ったら入ったでいっか!
お、、、意外に重たい。
抱っこ出来た!
そのままソファに座りなおしてなでなでしてみた。
怖いからなのか、人肌が恋しいからなのか一応逃げないではくれている。
そのまま右腕に顎を乗せられた。
くぅ~
感動❕
という朝一番の奇跡
そこからは安定の嘔吐、おしっこもなかなかしてくれない。
けど!間違いなく今日は彼女の中でも相当勇気を振り絞ってくれたのだと思う。
その期待に応えられるように頑張ってペットに対する知識を深めたり、お散歩連れて行ったりするからね!
名前:ポン子
年齢:2歳(推定)
出身:香川県
状態:ケージから一歩踏み出す勇気を持ってくれた。
002 嘔吐
まだまだなれない様子のポン子。
ケージからは無理矢理出さない限りは出てこない。
声も出さないし、排便、排尿も1日1度するかどうか
私自身幼少期から犬は飼っており、ポン子で4代目になるが今まで飼っていた犬にはなかった頻繁な嘔吐。
エサは愛犬元気でそれ以外は一切ご褒美等与えていない。
心配になり、獣医へ連絡したが元気そうなら様子を見てくださいとのこと。
元気そうも何も、うちに来てからそもそも緊張しっぱなしで元気なのかわからない。
早くわが家に慣れておくれ。。。
そしてお外にお散歩とか行けるといいなと思いながら。
ポン子はどこで何をして生きてきたんだろう。
ポン子はどんな思いで今日を過ごしているんだろう。
人間と違っておしゃべりができない分考えてしまう。
そんな彼女は今日もケージで一日が過ぎるのを待っている。
001 ようこそわが家へ
わが家に保護犬が来た。
名前は里親を募集していた工藤さんが仮で名前を付けてくださっていた「ポン子」をそのまま命名した。
タヌキのような見た目から雄だったらポンタ、雌だったらポン子とのこと。
家族との初めてのお見合い、ポン子は震えていた。尻尾が股を通っておなかにくっついていた。これでもかってくらいおびえていた。
そんなポン子を受け入れようと家族ではトライアルの日を迎えた。
ようこそわが家へ!
手先の器用な奥様が100円均一で買ってきた柵を何個も丈夫につなぎ合わせて作ってくれたケージに体重12kgくらいのポン子は入ってくれた。
手に乗せたご飯を食べてくれたが、尻尾は垂れたままだった。きっと緊張しているし、怖いのだと感じた。
これまでの人生がどんなものだったのか探りようがない。。。けど!これからの人生は殺されてしまうという心配なんて絶対ない。ポン子!安心して!
わが家は人にも動物にも優しい奥さん、泣いてる子の心配をいつもする長男、まだ言葉はしゃべれないけど、動物好きな次男、そして最近料理担当の僕がいる!
そんな思いを抱きながらトライアル初日を迎えた。
名前:ポン子
年齢:2歳(推定)
出身:香川県
状態:股の下に尻尾をたたんでいる。